アイルランドに行った その4
タイトルは変えるが、前回からの続き。「シベリア鉄道からアイルランドに行った」でも良かったんだけど、それだと全て陸路で行ったみたいな感じが出てくるので。。。
というか元々はそのつもりでルートを考えたりもして、シベリア鉄道でモスクワまで行きそこからリガとかに電車やらバスやら使ったりとか、去年フィンランドに行った際にロシアビザを持っていなかった為に断念したサンクトペテルブルクーヘルシンキ間を結ぶ高速鉄道Allegroに乗ろうとか。夢は膨らむばかりだったが、口座の貯金額は膨らむことはなく、予算の範囲内でシベリア鉄道に乗ってかつアイルランドに行くにはイルクーツクで鉄道の旅を終えざるを得なかったのである。飛行機、安い。
事前にちゃんと予定を決めて安い航空券を取ったりすればもっと安く済んだはずなのだが、片道成田からウラジオストクまでの航空券だけを持ち日本を飛び出た我々は、イルクーツクに着いてから調べた段階で一番安い飛行機を取らざるを得なかった。トルコのアタテュルク空港やベルギーのブリュッセル空港を経由するのは流石にテロ的な意味で恐ろしかったのでそこらは避けつつ(それならISISから宣戦布告されているロシアに旅行すること自体アレだが。)
イルクーツクからウラル航空でモスクワ、モスクワからモルドバ航空でキシナウを経由してダブリンというルートが一番安かった。いや、キシナウってどこなんだ。。。
モスクワは通り過ぎるだけ。ロシアに旅行に行ってモスクワもサンクトも行かずにウラジオストクとイルクーツクだけ行くことになるとは思わなかった。天候にも恵まれなかったため、あまりロシアを満喫できなかったし、次モスクワなどに行く機会があったら晴れていることを願う。。。
印象に残ったことといえば、泊まったアパートのエレベーターがマジで揺れるしアナウンスの男の声がむっちゃ低くてこえーしなんかバイオハザードみたいな気分だったのと、イルクーツクで酒飲むか!となって酒場を探してもアイリッシュパブばっかりで、いやこれからアイルランド行くのになんでロシアのアイリッシュパブに行かなあかんねんとなった、というくらいだ。
イルクーツクを後にして、モスクワに向かう。本当に直前に取った飛行機だったため座席は最後尾。そのため、リクライニングではない。しかも、座席前にあるはずのテーブルが自分のところだけない・・・。隣は鬼のように太ったおばさん。イルクーツクの寒さで若干体調崩し気味。地獄だ。
どうなることやらと思ったが、一瞬で寝て起きたらモスクワに着いてた。飯も食ってないし、サービスもへったくれもあったもんじゃない、そもそもテーブルがないんじゃあ飯も食えなかったが。西へと移動しているので、早朝に出発して6時間ほどの道のりだったが着いても朝の9時。ここから7時間ほどドモジェドヴォ空港で次に乗る飛行機を待つことになる。
自己乗り継ぎなので市内に出るのも良かったのだが、空港から市内まではそこそこ距離があって観光をするには時間がなさすぎるので、空港でずっと漫画を読んでいた。Kindle、最強。
ヘルシングを読んでいたらいつの間にか搭乗時間になっていて、いよいよキシナウへ向かう。しかしまぁ歴史とかの教養がまるでない自分でも、ヘルシングの思っクソにハーケンクロイツが描かれてるページを開くのは憚られる。
モルドバ航空でキシナウへ向かう。まぁ安いしサービスはともかく死ぬことはないだろうと思って乗ったが、離陸時、滑走路でカーブをしながらジェット噴射したり、飛行中めっちゃ揺れたり、着陸成功時に乗客が拍手喝采したり・・・なかなかに価値観を揺さぶられた。
さて、聞いたこともなかったキシナウはモルドバという東欧の国の首都だ。ルーマニアとウクライナに挟まれた内陸国であるモルドバは、ヨーロッパ最貧国で町並みは旧社会主義国っぽい奇妙さがあるらしい。あくまで乗り継ぎでしかないから、その様相を町並みから見ることはできなかったが
モルドバ航空の乗り継ぎで通る謎の通路は異様に長く、壁は画像のようなビニールシートで囲まれてて、「不便でごめんね」みたいなことも書いてあった。確かに、なんか貧乏そう。。。
しかしこの国肥沃な土地ゆえワインやコニャックはかなり有名で、食材もかなり豊かだそうだ。
空港で醸造してるビールとかいうのもあった。飲まずにはいられない。
結論としては味はまぁまぁだった。こういう限定の樽生ビールってついつい飲んでしまう。
昨年旅行したヘルシンキでも、BRYGGERIという店内で醸造したオリジナルビールを売っているパブに足繁く通ってしまった。
店の地下にこのような施設も併設していて面白い。
ヘルシンキ大聖堂の真南にあるので、観光のついでにもバッチリである。
お土産でもここのビールを売っていたので買って帰って、当時バイトしていたパブの社員たちに配って回ったが「え、あんまり・・・。」と言われてしまって、そんなはずは!と思って自分の飲んでみたが、確かに現地で飲んだのより全然味が落ちていた。ボトルと樽生の差なのか、「そこでしか飲めない!」とか「限定」という文字に惑わされていたのか・・・。とりあえず現地で飲むと美味しかったです。
閑話休題。
ここでの乗り継ぎ待ち時間は3時間ほどであったため、免税店で色々酒をみたりお土産なんか買うかな〜と見て回ってるだけで終わった。
とはいえ、酒はEU圏内のあれそれで買えないし、お土産になりそうなものなんてキャビアくらいしかなかった。結果ダブリンで泊まるホテルに冷蔵庫がなかったので買わなかったが、この値段は安いのだろうか。。。
またあのモルドバ航空の飛行機に乗るのか・・・と辟易しつつも、飛行機に乗る。時刻は夜の21時、空港周りには一切都市という都市がないらしく、周囲の暗さが尋常じゃないかった。最貧国、恐るべし。再び、乗る、曲がりながらジェット噴射、揺れる、到着、拍手喝采、を経て無事ダブリンに到着した。したは良いものの時刻は23時。泊まる金も勿体ないので、ウラジオストクぶりの空港泊。空港内のマクドナルドで。思えばロシアだったからであろうか、マクドナルドを見かけることは一回もなかった。
あ〜資本主義に帰ってきたな〜とMの看板で感慨を覚えつつ、寝る。
イルクーツクを早朝に出てから、まだ1日が経っていないことが不思議でしょうがなかった。西へ西へと移動したから、実際問題24時間以上1日を過ごしていたような気もする。
起きたら朝の6時、ロシアでは全く見ることのできなかった青い空に、同行者共々「やっぱアイルランドだな〜〜〜」
ここまでのアルコール不足を取り戻すかのように、アイルランド旅行が始まるのだった。
忙しい時に限ってこう言う筆ばっかり進むので、きっと続くと思う。