9月に飲んだ酒

未だ金欠からは脱せず。少ないけど、良かったものを

 

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・OMC ボウモア2000 15年 57.4%

フープのカリラが結構良かったので、もう一回アイラのシェリカスクを色々試してみようかという気持ちになり注文。リフィルバット。

個人的には結構キツいピートとドライな味わいで、度数も相まって飲み終えるまで結構時間かかった。開いてくると海っぽい感じとビターなチョコレートが感じられた。まぁ、やっぱりピーティなのとシェリカスクが一緒になると、色々節操なくてあんまり上手く味わえられない。経験不足。

 

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 ・MARC DE BOURGOGNE Domaine Comte Georges de Vogüé 42%

かなり趣向を変えて、マール。さすがにDRCではないんですけど、ロマネ・コンティの隣の畑だとかなんだとか。

 

以前飲んだデメラララムのポートモラント37年にも感じた、ウイスキーにはあまり感じたことのない(個人的にそういうのを避けてるだけかもしれないけど)ちょっと草のような青臭さのあるフルーティさ。グラスに残る香りまでどんどんフルーティに開いて行って、飲み終わってからも楽しめる素晴らしい一杯でした。

 

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イチローモルト秩父×KUSUDA 2017 57.5%

秩父出身の人がニュージーランドでやってるらしいKUSUDA WINESのワイン樽を使って熟成してるコラボ。

以前のウイスキー祭2017に感じた独特な栗みたいな味と香りはある。樽の香味なのかな。そこからワインカスクのスパイスやピリッとした感じが...正直邪魔をするというか。それでも、6年という短熟で飲めるだけの秩父らしさとワイン樽の特徴がこんなに出せるのって凄い。

 

サントリーブレンデッド 和馨 43%

リカマンの洛山、キンコーの鳳雅、ビックカメラのブレンデッドと共に2014年くらいに信濃屋から出たブレンデッドウイスキー和馨。1984年のミズナラ原酒を使ってたりするらしくて、昨年美味しいミズナラの山崎を飲んでからどっかのお店にまだあればと思って頭の片隅に置いてたボトル。

 

香りが凄い...馨と名付けるだけはある。ミズナラ特有の香りが来て、その後にモルトやグレーンが来る。ブレンデッドだけあって味も複雑に色んな香味が折り重なって出てくる。まぁ、正直ちょっと期待値高すぎて、しかも香りが凄い良かったもんだから味わいにももっと期待してしまったせいで、こんなもんか...ってなっちゃったのはあるけど。 

 

ボトル定価4万。当時の色んな人のブログとか見ると、ウイスキーも高くなったもんだ...と嘆かれているけど、2017年には山崎ミズナラ2017が定価10万でサントリーオフィシャルから出てるわけで。一番高騰してる時期にはまり込んで行ってしまってる情けなさ。まぁ年齢があることなので仕方ないですが。あの山崎2017も飲んでみたいけど、近場の店だとハーフで5kくらいで出す予定らしく。定価が定価だけに良心的とすら思えてしまうけど、こんなことやってっからいつまで経っても金欠なんでしょうな。

 

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・TWE Redbreast All sherry 59.9%

ロンドンのThe Whisky Exchange向けのRedbreast 1999 15年シングルカスク

ダブリンにあるCeltic Whiskey Shop向けにも大体似たようなスペックでAll Sherryが販売されてるけど、値段は後者の方が結構高い。ポンドとユーロ表記なので時期によって結構揺れそうだけど。いずれかは後者も飲んでみたいけど、そもそも2本とも日本には正規輸入はされてないと思うので、TWEのを飲めただけでも嬉しい。

 

やっぱりこのレッドブレストのフルーティさが結構好きで。でも味わいはかなりボディのしっかりしたシェリカスク。ドライフルーツとかカシスの感じがあって好きなタイプ。余韻にかけてコーヒーっぽさもある。TWEのテイスティングを見ると"A heavy meaty note emerges, like hot Bovril"とあって何のこっちゃと思ったら、イギリスにはBorvilという飲み物?があるそうな。別名"Beef Tea"イギリスはMarmiteといい、好みの別れそうな食品が多すぎませんかね...

 

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ボウモア11年 アイラフェス2017 53.8%

シェリー樽とワイン樽のマリッジとのこと。良いベリー系の香りあって味わいもぶどうっぽさから余韻にかけて魚介だしっぽさ。2000年代の蒸留だけど、個人的にはあんまり紙っぽさも感じなかった。シェリカスク、ワインカスク、アイラモルトってなかなか忙しいけど、面白く、上手くまとまっていて美味しかった。

 

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 ・ROE&CO BLENDED IRISH WHISKEY 45%

アイリッシュを飲むにしても、88~91のまぁ世間的にも評判の高い(が、それだけ値段も高い)のばっかり頼むので、たまにはこういう安価なものもどうですかと出されたブレンデッドアイリッシュウイスキー

 

ROE&COはディアジオアイリッシュウイスキーを再び売り出すため今年ローンチされたらしく、国中の様々な蒸留所を回ってモルトとグレーンを手に入れたとかなんとか(誤訳してそうだから全然自信がない)。アイリッシュグレーンて...そんなものどこにあったんすかね((

 

30しないにしてはかなり良いと思う。バーボンカスク由来のバニラ感、クリーミーアイリッシュらしくスッキリとしてフルーティで。正直あんまりブレンデッドを飲まないので、グレーンの感じとかがどうこうとかは、わからなかったけど...。

 

近年の88-91の上質なものだけでなく、ジェムソンを代表としてアイリッシュはまた一般的にも復活の兆候を見せているっぽい。バーボンとかみたいに、明確な定義がないから自らの首を絞めることもなく一時期は閉鎖してかなり数を減らした国内の蒸留所もまたどんどんと増えていってる。期待。とはいえ、これから作るアイリッシュウイスキーに、あんなパッションフルーツや南国なテイストが出るのかは謎だけど。

 

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 ・ボウモア25年 1969 43%

ボウモアは一般的にもかなり有名な銘柄だけど、その蒸留年数によってかなり味が変わっていて、80年代はやれパフュームだ、近年になると紙っぽいだの言われて人によっては強烈にネガティブな印象を持つ。ウイスキーを作る工程を見ればわかる通り、あんなものを常に同じ味にするなんてのは土台無理な話で。ブレンダーの恐ろしく研ぎ澄まされた舌でできるだけ変化の少ないように調整はするんだけれど多かれ少なかれどんなボトルでも時代によって味は異なるもんだ、と思って試してみないと貴重な出会いを逃してしまうかもしれない。

 

かくいう自分も、ウイスキーが好きだな、色んな銘柄を試してみたい!と思ってアイラ代表として選んだ(単純に小さいボトルが売ってたからと言う理由だけど)ボウモアで、ただでさえ癖の強いピート感のあるアイラモルトなのに近年の紙っぽさ、ただただ辛くて不味い...となってそこから2年ほどボウモアは飲まないようにした。ここで飲んだものがもうちょっと美味しければ、もっと早くにこのボトル更には今ではもう飲めないようなもっと良いボウモアに出会えていたかもしれないと思うと、残念でならない。

 

絶句するほど美味しかった。穏やかな甘い香りとトロピカルフレーバー、ピート香もある。オイリーでしっかり麦の旨味もありつつシェリカスクも入ってるようで葡萄っぽさやだしっぽさも。余韻にかけてピートの苦味が来て白桃っぽい味に変わって消えていく。そんで、正直アイリッシュのトロピカルフレーバーにケミカルっていう言葉がよく使われているが、あんまりそんな感じないけどなぁ(強いて言うと秩父ウイスキー祭で試飲したチェスシリーズのアイリッシュは確かにケミカルだなぁと感じた)と思っていたけれど、このボウモアを飲んで納得した。こんなにナチュラルに南国フレーバーを出されてしまっては、アイリッシュのそれは人工的に、わざとらしく感じてしまうかもしれない。これでも69年。世間的にもっと良いと評される年数になってしまったらどうなるのか。オフィシャルのバッティングなので、今回いただいたボトルが特に69の中でも状態が良かったのもあるんだろうけど。まさに"アイラの女王"たる所以を見せつけられた。

 

自分が飲み始めた当時からまたボウモアはスタンダードなシリーズもボトルのラベルが変わっていて、最近のボウモアにはこの69に近しいようなニュアンスも多少は感じられる。昔のマッカランなんかを飲むと、もう今後こんな美味いマッカランを飲むことは難しいんだろうなと軽く失望したりもするんだけど、ボウモアに関しては今後にも期待を持てるだけ未来が明るいような気がする。

 

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・宮城峡モスカテルウッドフィニッシュ 46%

3500本だけ日本市場向けに出された話題のニューリリース。まぁ個人的にはどうしても欲しいものがあった時に、オークションとかその手のサイトとかで多少元値よりか買っても手に入れられるならそれもそれで良いか。と思ってしまうタチなので、ライブチケットやらウイスキーに関しても転売は絶対悪!滅ぶべし...という考え方ではないけれど、これと同じく余市のモスカテルウッドフィニッシュがヤフオクにセットで13,4万で出されてた時は笑っちゃった。定価1本1万5千円やぞ。

 

飲んでみても、若いし、味ものっぺりと甘いだけでそんなに華やかさも感じないし。若干モスカテル由来のフレッシュな感じと酸味も無くはないけど。。好みの問題が大きくて、完全に個人的な意見(ブログなんてそんなもん)だけど、これが1万5千円で手に入るとしても別に買わないと思う。。。そんな感じ。色んなバーの店主が、こんなもん転売した方が絶対儲かるし素早く利益回収できるしね...と苦笑いしながらも定価ベースの価格でお客さんに出してくれるのは、とてもありがたいことだなぁと思ったり。

 

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・TWE Finest IRISH Single Malt 22年 51.8%

またしてもアイリッシュ。安定の味わいなんだけど、余韻にかけて紅茶のような渋みが強くなってきて面白かった。ちょっとピートもあるんだろうか?面白い。

 

しかし最近はなんかこう、アイリッシュは大体こういう味だから〜っていう前情報が脳に刷り込まれすぎて余韻でしか判断してないような気がするし、もっとフラットに味わえるようにしたい。これにしたってシェリカスクもあるのだからそういうフレーバーや味わいも拾えていいはずだし...もっと様々なタイプのウイスキーを飲んで色んな要素を拾えるようになれれば良いな。

 

趣味ってより楽しく充実するためには時として勉強も必要だと思うけど、いわゆる一般的な勉強と違って勉強の方法が確立されていないから難しい。趣味に生きる人は、そう言った意味で勉強の天才だと思いますね。趣味に生きたい...

 

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 ・イチローモルト秩父IPAカスクフィニッシュ2017 57.5%

これもまた話題のボトル。めっちゃ美味しかった。IPAカスクフィニッシュなんて他に飲んだことないけど、それ由来のシトラス系のフレッシュな香りや味わい、若干の苦味もあり、余韻にかけては秩父由来の甘みとそれに加えてちょっと柑橘っぽい甘みもある。かなりスイスイ飲める上に美味かった。定価1万ちょいでこんな美味いのが飲めるのは凄い。なお定価では手に入らない(このボトルに限ってはそんなこともなかったようですが。馴染みの酒屋、みたいなのを来年度以降作れるといいなぁ。

 

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・SHINANOYA the GAME 7th イチローモルト秩父 2011-2017 61.3%

これまた話題の秩父。まぁ要するにミーハーなんです。

口開けだったのでまだ開いておらず若干硬かったけど、それでもかなり美味しかった。少し加水するだけで一気に華やかに開いて、マデイラホグスヘッドからの濃厚な甘さ。度数や若さを全く感じさせずピリピリとした感じがない。信濃屋の公式のテイスティングコメントにある、ランシオというのはちょっと盛り過ぎな感じもあるけど、でもこんな深いベリー系の味わいが熟成6年で出るのは本当に驚き。抽選当たってたらなぁ。

 

 

 

まぁ好きなものを好きに飲んでるだけなので、一本気に入ったのがあるとそれに関連するようなボトルばっかりになる。もっといろんなタイプのウイスキーを飲めればなぁと思うけど、そんなお金はないわけです。

 

最後にお金がない一番の要因であるところの、乃木坂46の3期生の推しメン梅澤美波さんが参加してる最新シングルのMVを貼っておきます。

www.youtube.com