1~3月に飲んだ酒

大して知識も含蓄もないけど、印象に残った数本だけ経験値として備忘録を残しておく。 

さて、昨年からウイスキーにはまり込んで行ったが、思えば京都で学生をしているにも関わらず酒を飲むのは都内ばかりで、京都のバーに行ったことはほとんどなかった。それはまぁ声優やらアイドルのイベントで都内に行くついでに飲みに行っていたからなのだが、もはや酒を飲む口実を作るついでにイベントに行ってる節もあったので、この3か月はなるべく京都のお店に足を運ぼうとした。まぁ結局乃木坂やら欅坂やらアイマスやらで都内に足を運ぶ頻度はそこまで減らなかったんだけど。

 

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昨年末話題になったボトル。神戸メインモルトと有楽町キャンベルタウンロッホという有名なバー2店に向けて詰められた1樽。グレンファークラス1989

近年シェリーという言い方をするけど、なんせ近年成人したもんだから近年シェリーしか知らん。

とはいえ、これは一つ頭抜けてるなとは思った。レーズンやドライフルーツの香りというより、フレッシュなブドウの香りがして、後味のタンニンは渋すぎず。全体を通してみずみずしい葡萄感がある。少し土っぽいけど硫黄やゴムのようなネガティブな印象ではない。

(昔と比べると)マッカランがそんなに評判の良くない昨今、シェリー系といえばファークラスになってくるんですかね。

 

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90年代流通のエドラダワー10年。近年じゃないシェリー系を飲んでみようとリーズナブルなものを探したら出てきた。とはいえ、エドラダワーは特徴的すぎて近年がどうとかそういうんじゃなかった。

一般的にネガティブな要素として語られるパフューム香が強く出ている一本。結構嫌いじゃなかった。オールドボトル特有のヒネ?もある。練乳のようなクリーミーさと主張の強くない穏やかなシェリー感はブラインドでも分かりそう。

2000年代からシグナトリーが蒸留所を買収して、最近はパフューム香がなくなったらしい。後学のためにこう言ったクリーミーなものを飲んでおくといいな〜とか思ったりもするんだけど、そもそも娯楽で飲んでる酒に後学もクソもあるかよとも思ったり。

 

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ウイスキーフェスティバルin東京2010の限定ボトル、ロングモーン34年

想像してたトロピカルな感じはあんまりないけど、とにかく美味い、筆舌に尽くしがたいものだった。

「筆舌に尽くしがたい」って、語彙力ないです。って言ってるっていう意味では「いいねぇ〜」と何も変わらないんだけど、なんか頭良さげに見えるから良いよね。積極的に使っていきたい。

ラベルに書いてるのは2014年マッサンで一躍有名になった竹鶴政孝と、彼が国産ウイスキーを作るために修行へ行ったロングモーンの工場長が描かれているとか何とか。エモいエモい。

 

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去年はシェリシェリーとうるさかった自分もいい加減飽きてきて、最近は南国系をやたらと飲みたがって注文する。自分の中ではそういうニュアンスはアイリッシュにばかり追い求めてきたんだけど、このブナハーブン36年はアイリッシュのケミカルな感じはなくて、モルトの旨味が強く明るいトロピカルフルーツって感じだった。味に明るいって表現はなんか意味わかんないと思うんだけど、なんかそういう感じ。加水して40.1%とはいえ後味は本当にアルコールか?ってくらいスッとしてた。

 

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昨年末ようやくピーティなウイスキーの美味しさもわかってきたので、色々と飲んでみたが、印象に残った2本。

パリに店を構えるラ・メゾン・ド・ウイスキー(LMdW)のtenシリーズ07ボウモアと、イチローモルト秩父ピーテッド2016。

短熟でもピートが効いていると若い原酒の荒さがマスクされて割と飲みやすい。前者ではマスクされた奥から南国系のフルーティさが、後者ではバニラっぽい樽の味が感じられる。

ボウモアは2013年販売だからもう手に入らないし、イチローモルトに関しちゃ定価なんてあってないようなもんなんだけど、こう言ったボトルが定価で1万しないって聞くと、家飲みは案外こう言う穏やかなピート感あるものを選ぶのがコスパ良かったりするのかなって思った。定価で手に入るならね・・・。

 

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2月には秩父神社で行われた秩父ウイスキー祭2017に行ってきた。いい天気。

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カードシリーズや、ベンリアックの40年近いボトルが格安で飲める。店で飲んだらどんな値段になるやら。。。写真は撮り忘れたが、山崎蒸留所秘蔵モルトなんかもあった。

貴重なものを飲めるのは嬉しいけど、過去のボトルが良かったっていう事実を知るたびになんだか悲しくなってくるね。

 

そうした、滅多にお目にかかれないボトルを試飲できる、というのも魅力の一つであるが、ここでは色んなお店の新商品をいち早く飲めるという良さもある。

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上は埼玉県に本店を構えるエィコーンのオリジナルボトリングの新商品である。

グレングラントを飲んだことはあまりなかったが、これは結構美味しかった。

 

下は信濃屋のオリジナルボトリング3つ、グレンファークラス2004,2005とチェスシリーズの最後の1本チェックメイトアイリッシュシングルモルト1988。

先述の1989といい、信濃屋がこの前出した1991といい最近やたらと話題のファークラスだけど、2004年も飲んでみてファミリーコレクションってやっぱりいい樽選んでるんだなーと。流石に1989や1991と比べると荒さは感じるけど、後味の甘みや硫黄感などの無さはかなり良いと思う。14kと言われると少し足踏みはしてしまうけど。

アイリッシュシングルモルトは、まぁなんというか美味いけどスッゲェケミカルだ・・・。値段も約4万円となかなか。

 

さて、メインイベントはこのウイスキー祭で行われる信濃屋のセミナーだ。

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Facebookとか見てもあんまり情報とか出てないから、書かないほうがいいのかな〜とか思いつつも、いやそもそも別にこんなクソブログ誰も見てないんだから忘れないうちに書いとこうと。

ボトラーズとしてオリジナルボトリングを始めて10周年になるSHINANOYAが今年それを記念して10樽出すというその一部をチラ見せ、みたいなセミナー。

 

テイスティングで出てきたのは、先ほども飲んだチェックメイト、昨年末リリースされたファークラス1991、アプルヴァル(これはウイスキーでなくカルヴァドスだけど)、今後リリースするらしいティーリングシェリカスク1991、軽井沢1981

まさか4000円のセミナーで軽井沢が飲めるとは・・・。

 

チェックメイトはプラコップで有料試飲してもケミカル強いなっていう印象しかなかったんだけど、テイスティンググラスでゆっくり飲むと流石に白桃やマンゴーのような香りが感じられた。

ファークラスは1989のよりももっとレーズンやプルーンなどのドライフルーツの香りと味わいが強く、後味もタンニンというよりはカシスとかそういう甘い感じだった。

ティーリングはアイリッシュの1991というだけあってアプリコットとかそういうトロピカルフレーバーはチェックメイト同様あるんだけどそこにシェリカスクの樽感やスパイスが乗っかってて面白い。

カルヴァドスはあんまり飲まないのでアプルヴァルは、ただただ美味しいな〜って感じでしかなかった(というより酒飲みすぎてもうあんまり舌が機能していなかった)。

 

マッカランを超えて今ウイスキー市場で最も高額で取引されている、一本の最高落札価格1100万とかそういうのでやたら名前ばかり聞くが全く飲んだことも見かけたこともない軽井沢であるが、まさか飲む機会があるとは思ってなかった。

ヒュミドールとかなんか若干鉛筆とかインクのような香りと、シェリーからクミンとかのスパイス、フィニッシュにビターチョコレートの感じととにかく忙しく複雑で、空いたグラスを香ってみると出汁のような香りがする。もう・・・なにこれ。

いや、美味しいんだけど、とにかく飲み疲れるものだった。外で飲むにはちょっと疲れるから、家に一本あってすっごい良いことがあった日に2,3時間かけて飲みたいものだけど、到底買えるような値段では発売されないんだろうなぁ。

 

まだ銘柄は発表できないが今後リリース予定としては、信濃屋と付き合い長い蒸溜所のオフィシャルボトリングと、70年代のアイラとのこと。

最近チェスシリーズのマッカランが発表されたが、マッカランは単独のプライベートボトリングでは初採用だし長い付き合いというわけではないから、違うんだろう。これもノンシェリーっていうマッカランのハウススタイルからかけ離れたもので凄い気になる。けど、20年で36900円てね。。。安いんだろうけどね・・・。手は出せない。

ファークラスはもう何本も出したし、トマーティンとかだろうか。

 

このウイスキー祭で何か1本ボトルを買って帰ろうと思っていたのに、セミナーで圧倒されて結局何も買わずに帰った。

 来年も開催されるそうなので、何としても行こうと思う。まぁ、プラコップじゃ味も香りの全然ピンとこないことがわかったので、小瓶でも大量に買い込んで・・・。

 

 

京都だけじゃなくて、大阪にも足を運んでみた。

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セミナーのティーリングやチェックメイトも美味しかったんだけど、ここで飲んだレッドブレスト25年があまりにも別格に美味かった。

白桃感が群を抜いている。アイリッシュで1991はかなり評判がいい。どの銘柄でも基本クーリーかブッシュミルズ蒸留所で作られたものだから大体似たような樽で、外れが少ないのだという。スリーリバーズのティーリング23年とかも思えば1991だったし、今度の信濃屋のもそうだし、ティーリングのヴィンテージリザーブにはあんまり普通のティーリングと似たようなテイストは感じないから多分その通りなんだろう。

でも、このレッドブレスト25年にはレッドブレスト12年のニュアンスがそのままにとにかく滅茶苦茶美味くなっている。というか、そもそも12年ものでも十分に美味いので是非飲んでもらいたい。

 

ここ数年、アイリッシュのヴィンテージがドゥンドゥン発売されているし、アイルランドではまたどんどんと蒸溜所が稼働しているので未来は明るいんだけど、そろそろ一旦こう言うプライベートボトリングみたいなものは減ってくるかもしれないとセミナーでも言ってたので、91年もののアイリッシュは今のうちに買っておくと良いんだろうな〜。レッドブレスト25年、輸入したら大体5,6万か〜高いなぁ。

 

ヤマもオチもないけど終わり。